2013年6月15日土曜日

サメのたれ (サメの干物)とうつぼの干物  Same&Utubo Dryed Fish


サメのたれ








伊勢志摩地方で食べられている 鮫(さめ)のひもの
さめは古来 「鰐(わに) 鱶(ふか)→フカヒレを取る)と呼ばれ
大国主之命の「因幡の白兎」の神話に登場するワニである

さめは自身の体液調整に尿素を使う その為筋肉組織に蓄積される
鮮度が落ちると「アンモニア臭」が立ちこめ 食に適さなくなるきらいがある
塩漬けにされ海のない地域の「保存食」とされてきた

サメには歯の部分以外 骨格はなく 軟骨成分で構成されている
よって、サメは捨てる部分が無く広範囲に利用される
サメについては各自お調べいただくとして

伊勢志摩地方から紀州路は
古来からサメを解体し身を薄くそぎ 短冊状にして
塩漬けして保存してきた
伊勢神宮の「神饌(しんせん) 神の食事)としてお供えされてきた歴史もある

志摩では オナガザメ アオザメを使い短冊状に切り
独自の調理法でヌメリやアンモニア臭を処理し 
「塩漬け」 「みりん漬け」などに加工して干物になる
サメのタレのタレは 垂れといわれ
干物を干すとき紐から垂れ下がるさまを言っているようです
現在は網干しです

伊勢 鳥羽 志摩の鮮魚店やスーパーでもこの干物を販売している
最近は「珍味」として注目され おみやげとして買い求めてゆく人も多くなった
クチコミでそのおいしさが広まり、神宮界隈の干物屋でも人気商品だという

食べ方
表面がカリッとするくらいに「炙る=あぶる」
「みりん漬け」はみりんを含むため炙りすぎないこと
炙りのコツは フライパンか鉄板の上で焼くのがオススメ
適度な大きさにムシって 「酒の肴」や「お茶漬け」に
オリーブオイルやバターで焼いてたべてもうまい
白ワインにはオリーブオイル焼きがよくあう


因みにどんな干物もフライパンか鉄板の上で焼くのが美味いようだ
鉄製のステーキ皿があれば最高! 干物を並べ
家庭の魚焼きグリルで焼けば煙も殆ど無く むらなく焼ける
鉄板のせいで冷めにくく 美味しく食べられる
グリル内も油飛びがほとんど無く 思ったより庫内もきれいです

 





うつぼ(靭)



土佐から南紀 志摩地方にかけてウツボを食べます

生のウツボはその風貌と強烈な匂いで近寄り難いものがあります

それでも人間はなんでも食べてみるのです

生のウツボは酷い匂いなのですが 解体して干物にすると

その匂いは消え失せます

短冊状に切りそろえられれ売られています

特に志摩地方では正月に欠かせない祝い膳の一品として珍重されます

産後の女性の回復に効果ありとされ

疲労回復や精力増強にも絶大な効果があるとか

お正月前になると志摩の漁師の家々で 

「うつぼあります」の小さい お手製看板が見受けられます







地元の鮮魚店やスーパーでも売られています

食べ方は軽く炙りみりんや醤油で味つけするとか

唐揚げが好まれるようです

豊富にアミノ酸類を含み 濃厚な味わいがあります