2013年6月7日金曜日

伊勢うどん考    Iseudon 

伊勢うどん
主に伊勢を中心に食べられているうどんで 「極太で柔らかい」のが特徴
江戸時代に3度 全国から爆発的な伊勢参りの波が起きた
「おかげまいり」である「御蔭参り」と書き
庶民が奉公先や仕事をほっぽり出して「伊勢参り」する現象をさし
「ええじゃないか」とは区別される

大挙して押し寄せる参拝客に対応するため
うどんを絶えず茹で続け腰の無いうどんになった
刻みネギしか ”具”は無い
極太の麺に 味噌から抽出した「たまり」 これに
鰹や昆布出汁をあわせ「たれ」としたものを絡めたもので「つゆ」は無い
「たまり」を使うため 真っ黒で 関西人や讃岐の人には敬遠される傾向がある

最近は観光客達の間でその味が評判となり
うどんとタレがセットになったものが
三重県内の高速のSAやスーパーマーケット 
コンビニなどでも売られている
また 「たれ」だけのお取り寄せもできるようになった



永六輔が「伊勢うどん」の名付け親

「素うどん」「並うどん」と呼ばれていたが伊勢を訪れた際に
これは「伊勢うどん」と言ったのが始まりという 
その後 伊勢麺類飲食組合で「伊勢うどん」に統一した

今や 伊勢名物
伊勢市観光協会でもご当地グルメの案内がある






ええじゃない
「ええじゃないか」のはやしことばとともに
踊りながら伊勢まできたという
幕末期の民衆運動
その数 数百万人という



御師と伊勢詣(おんしといせもうで)
全国各地の有名な寺社に案内し 宿泊や食事の世話した
特に伊勢神宮」の案内人は「御師=おんし」とよばれ神宮の下級神職がおこなっていたともいう
全国各地に「伊勢講」を設け神宮の御札や暦を配ったとある
豊受大神宮(外宮)は農業を中心に産業の神であり 農民に厚い信奉を得ていた
御師は全国各地に赴き、伊勢講を神宮に案内し世話をしていた専門職集団でもある
現在の「旅行会社」といえる

内宮や外宮近くに軒を連ね各地の参拝者を招き 宿泊や食事を提供していた
伊勢神宮の「おはらい町」はその名残であるという